所有者は60代男性で元々不動産業を営んでいた方でしたが、経営が傾きついには住宅ローンの支払いが滞ってしまい、債権者から競売の申し立てを受けた直後に、弊社の訪問スタッフがお客様のご要望をお聞きしたうえで当社の取り組み方を丁寧にご説明し、任意売却の依頼を結ばせて頂きました。
物件的には築25年余りの4階建て店舗付収益ビルだったのですが、駅から徒歩20分、さらに全9室中、店舗3室を含む7室が空室、そして空室内も管理が行き届いていなかったせいで雨漏りや天井抜けなどかなり損傷が激しく、リフォーム費用には1000万ほどかかる物件でした。
実は所有者は弊社で契約を結ばせて頂く直前まで他社の任意売却業者に依頼していたのですが、債権者交渉も不十分だったのか販売活動でも全く内見にさえ結びつかず、ついには競売申立もされてしまい所有者もほぼ諦めた状態で半ば自暴自棄になられている状態でした。
物件的には上記のようにかなり悪条件が多い物件でしたが、膨大な住宅ローン債務と遅延損害金だけでなく、追い打ちをかけるように税務署および市税事務所の差押額も計1000万近くあり、弊社は販売活動と並行して真っ先に債権者交渉と差押権者との税金交渉を行いました。当然物件の状態と不具合箇所などの悪条件も写真に添えて書面にて詳細に記し査定書も提出し粘り強く交渉した結果、差押解除の応諾価格も滞納金の半額近くとなり、弊社の幅広いネットワークを駆使し販売活動を行った結果無事に買主も見つかり約3ヵ月で任意売却が成立しました。
ただこのように書くと販売活動が比較的楽だったように感じるかもしれませんが、実は毎日のように数十件の販社営業、並びに販売チラシの配布やポスティングなども何度も行い、さらに最終的な買主にたどり着くまでに二組の買主が契約後に物件の担保評価が低かったせいで住宅ローンの本申込が通らずキャンセルとなってしまい、何度も仕切り直し最終的に確実に購入可能な法人のお客様を獲得することで成約に結びつきました。
とにかく一番驚いたのは所有者で、ずっと家にこもっていて弊社と媒介を結んだ際にも投げやりに「どうせ出来る訳ないはずだけど、そんなに自信あるあるのならやるだけやってみな。」と話されていた方が、いまや積極的に仕事探しを始め出し、残った無担保債務についても弊社の顧問弁護士に相談をされ法的に債務をゼロにしたうえで、前向きにこれからの新たな人生のスタートを切られようとしております。