親から相続をした自宅を競売にかけられてしまったM様。
現在は80歳のお母様と二人暮らしでしたが競売になれば別のところへ引越しをしなければなりせん。
ただ、この時お母様は癌を患っていました。そんな体の容体もあって、どうしてもお母さんが生きているうちはこの家に住み続けたいとM様はおっしゃっていました。
そんなM様の希望も含めて現在の状況等をヒアリングしていくとそんなに多くの家賃も払えるわけでもなくご希望に添えるか正直わかりませんでした。
それでも担当者としてはM様の希望に添うべく作業を進める事にしました。
まずは物件の調査からですがM様の物件は多摩市内で場所はそんなに悪くは無いのですが土地が約9坪といわゆる狭小住宅で通常の坪数が有ればそれなりの価格も付きましたがそんなに金額のびてこない事が分かりました。
本来であれば所有者さんにとってはあまり良い事ではないのですが今回はこれを利用して債権者交渉していく事になりました。
その理由としてはリースバックを進めるにあたっては売主であるM様が支払える賃料相当に見合う収益物件に変えられるかが生命線になってしまいます。
M様が支払うべき家賃は物件価格を安くすればするほどに売却後に発生する家賃が安く抑えられるためM様にも投資家にもメリットが出てくるのです。
M様はすでに物件を返済しきれない債務を負っていた為に多くを返済するよりはこれから払っていく家賃をどれだけ安く抑えられるかが将来的に継続して払っていくために不可欠でした。
そうしたなか、交渉はうまく進み物件価格は抑えられたのですが中々、買主が見つからない状況でした。交渉の中で債権者からの条件は9月末日まで期限を切られており、とうとう9月の中旬を過ぎてしまいました。
時間もない中で弊社が懇意しているお客様にM様の物件を強くお願いすると、なんとかご了解を得ることができ、賃貸手続等も無事に終え9月29日ギリギリで引渡しと返済を終えることが出来ました。
決済時にはお母様も同席して頂き「ありがとね。もう私は年だから今更他の所へ移れないのよ」と大変喜ばれておりました。
その後、M様は弊社の紹介の弁護士により破産の手続きに入っており、今は家賃の支払いのみで落ち着いた生活を取り戻しています。