今回のお客様は日野市にお住いのS様。任意売却のご相談ではなく融資をご希望されたお客様でした。弊社は任意売却を専門に活動しておりますが、関連会社で不動産担保ローンも取り扱っております。一般的な金融会社とは違い不動産業者と提携している為、独自の評価基準で通常は融資を断られるお客様でも条件によっては融資をお引き受けすることがあります。S様は住宅ローンを既に完済していたのですが、消費者金融など数社からの借入をしており債務が膨らみ返済が苦しく、とうとう指定の期限内に返済がない場合、不動産に差押を入れるという切羽詰まった状況でのご相談でした。消費者金融での借入のため金利が高くS様としては借り換えをして借入先を一本にまとめ、金利も安い条件に変更し返済計画を立て直したいとのこと。返済の期限が迫っている為、至急融資してほしいという事で、すぐに調査を行い融資は問題ないという事で融資を行いました。
各消費者金融に返済、無事借入先を一本化、一件落着かと思ったのですが、これを機にS様とは長い付き合いにあるとはこの時は思いもしておりませんでした。
融資実行から1年程経過した頃にS様から連絡がありました。毎月の返済は問題ありませんでしたので一旦どうされたかと話を伺うと、S様から自宅を買い取ってもらえないかとの連絡でした。確かに融資の際に自宅売買やオーナーチェンジのご提案をさせて頂きましたが、その時は既に成人している2人のお子さんに資産を残しておきたいという事で断られておりました。S様は色々と考えた結果、オーナーチェンジでの買取を希望され所有権は売渡すが賃貸契約として住み続けたいとのこと。しかし、S様が所有者している物件には共有者がおりS様は100%の持分をもっておらず持分の売買となるため、100%で売買するより不動産としての価値が劣ってしまうので通常より買取価格が割安になると説明した上で、S様はそれでもかまわないという事で賃貸条件のすり合わせを行いS様の持分買取とオーナーチェンジを関連会社で引き受ける事になりました。S様はその売却益で弊社関連会社の借入を完済、お手元にまとまったお金を残すことになりました。どうして持分を売却したのか詳細はお伺いできませんでしたが、これでS様の債務は完全になくなっているはずです。
そしてオーナーチェンジをお引き受けしてからまた1年程経過した頃に、今度はS様の娘様より連絡がありました。その内容は父親であるS様が売却した持分を買戻ししたいとのことでした。S様家族としては娘と息子に対して資産を残そうと思っており、既に全体持ち分の3分の1を娘と息子に相続しており持分を保有しておりました。いくら事情があったにせよ父親であるS様の持ち分を第三者に保有されている状況は避けたいという事で、買戻しのご連絡をしてきたとのこと。弊社関連会社としてもオーナーチェンジという事で賃料の収入と先を見越した上でS様の持分を買取したわけですが、持分だけを保有し続けてもこの先意味はありません。買取をした関連会社もボランティアではありませんので多少利益分を上乗せして買戻しして頂けるならと条件がまとまりS様の娘様に買戻しをしていただくことになりました。幸いにもS様の持分買取の際の価格が持分売買で相場より割安で取引をしていたのでS様の娘様の買戻金額も抑えられる結果となりました。
S様に関することは以上となります。融資に始まりオーナーチェンジ売買、買戻しと紆余曲折あり結果、S様にとっても最良の形で終結し、私にとっても非常に良い経験となった案件でした。