今回のご依頼主は岩手県にお住まいのM様。M様は返済に困っておりその解決策を求めて弊社にお問い合わせしてこられた方でした。詳しくご事情を伺うと数年前に当時勤めていた会社の都合で転職を余儀なくされ何とか転職を果たすも収入は激減、それでも何とか節約しながら生活とローンの返済を続けていましたが、金銭的な余裕はなくそれが原因で奥様との喧嘩も増えついには離婚、家にはM様の実母とお子さんの3人となり単親で親と子供とローンの返済は維持できるものではなく、今回ご相談したとのことでした。M様はご自宅を売却する事は構わない、むしろ売却をして人数とそれに見合った賃貸物件へのお引越しをご希望されておりましたので、売却もとい任意売却をご提案し正式にご依頼を頂くに至りました。
調査をした所、M様の物件は築7年と築浅の物件であり岩手県の中心部に近く駐車スペースも2台分有、室内状況も付帯設備に若干の破損がある程度で築年数相応の物件でしたが一つ難点としてリビングでタバコを吸っていた為、臭いと壁紙の黄ばみがあった点がある程度で充分に売却を見込める物件でした。但し、M様は物件の購入代金を全て住宅ローンで賄った通称オーバーローンという形でご自宅を購入されていましたので7年の返済ではほとんど住宅ローンは減っておらず、物件の相場価格から完済での売買は難しいという事が分かりました。M様はできるだけ相場に近い金額で売りたいとの事で任意売却を本格的に進めていく事になりました。
売却をしても完済の見込みがない為、相場の価格帯で販売する為には住宅ローンを借りた債権者から応諾を頂かなければいけません。早速交渉をさせて頂きましたがまだ返済が始まってから7年しか経っておらず、ほとんどローンの返済がされておらず尚且つ、まだ築7年の物件という事で市場相場を度外視した金額での売却つまり返済を求められてしまいました。任意売却の目的は滞納処分の最終手段である競売では破格の売却金額になってしまうのを避け、相場に近い適正な価格で販売し機会損失を避けることが目的です。相場に見合わない高値の金額での売買を求められてしまっては適正な金額で売買をする「機会の損失」になってしまいます。債権者には市場の動向を調査した結果や、査定書、販売報告等を送り適正価格・相場価格とはいくらか話し合いや交渉を重ね任意売却の金額をまとめていきました。交渉から3ヶ月でようやく相場価格での売買を認めて頂く事ができ、後は購入者を見つけるとこまで進んでいきました。債権者と交渉をしている間も4~5組のお客様の内見はあったのですが思ったより建物がコンパクトで狭い、リビングで吸っているタバコが気になるなどの理由から中々購入者は見つかりません。近隣の仲介業者への営業も日々行っていましたが目立った反響もなく時間が過ぎていきます。しかし、そんなある日、インターネットの広告を見て連絡をくれた個人のお客様から購入を前提に内見をしたいと連絡がありご案内をさせて頂きました。そのお客様は別の地域にお住まいの方でしたが定年を迎えた後、故郷に戻りたいと物件を探していたお客様で昔はこの近所に住んでいた方でした。場所が気に入っていて物件も申し分ないという事で販売から数か月経過しておりましたが、ようやく購入希望者を見るける事ができました。M様には売却金額と条件をお話しさせてご了承頂きましたので早急に契約を締結させて頂きました。購入希望者の購入費用は現金とお持ちという事ですので無事決済を迎える事ができ任意売却を終える事ができました。
M様は相場に近い金額で売却する事ができ非常に驚いていたと共に「このような結果になるとはおもってもみなかった。有難うございました。」と感謝の言葉を仰って頂きました。完済での売却ではありませんので当然残債務は残ってしまったのですが、それでも残債務を最小限に抑えられたM様は気持ちがすっきりしたと今後の事を前向きに考えていらっしゃいました。