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大田区T様「難しい親族間売買、独自ルートで融資取り付け無事完了」

父おから譲り受けた部品加工工場を経営していたT様。バブル崩壊を気に経営状態は悪くなり一度は会社をたたもうと考えていたものの、自分の代でつぶすわけにいかないと懸命に資金繰りをされていました。 

当初、7人いた従業員も解雇し最後は自分の叔父だけが残り細々と経営を続けてきました自分自身は金属加工工場から給与はもらわず若干出ていた利益はすべておじに渡してその後、自分は別の就職先を見つけ家族6人で細々と生活をされていました。 

しかし、以前に借り入れた運転資金の支払いが滞り、債権者も出来るだけ支払いを待ってくれていたものの願いもむなしく競売の申し立てに踏み切られてしまいました。

T様の自宅は珍しくて競売の申し立てをされた方の建物の1階は工場・事務所で2階にLDKと居室1部屋の構造になっていました。

また、その南側にT様の名義で借地権建物をお持ちで1階・2階部分でそれぞれの建物をつなげていました。

ですから工場側の建物を失ってしまうと裏の借地権建物を切り離す補修費用も無いし、そもそも6人すべてが収まる居住スペースでもないので困り果てていました。 

そんなときにどういった形でもいいからこのまますみ続けたいとご依頼に来られました。

まず、最初にT様の御長男と会い御長男の名義で買い戻しを提案しました。T様として御長男様が物件を所有してくれればこのまま住んでいられると安心されていました。

早速、数社のローン用紙を用意しローン事前審査を申し込みました。

しかし、結果はかなり厳しいものだったのです。

何社かは0回答で1社だけ融資希望が1600万にて対して920万でした。

それではまったく金額が足りません。長男様は正直、まったく自己資金をもっておらず、買い戻すには厳しいものがありました。

T様は他に成人したお子さんが5人いましたので再度、融資を引き受けてくれる方を探しましたが結局は全員に反対されてしまいました。

そこでT様には方向転換し親族による買い戻しからリースバックに変更する事にしました。

T様の建物は昭和40年代に建てた建物で将来的な耐久性に問題がありましたが、2社ほどオーナーチェンジを受け入れてくれるお客様があらわれました。

Aさんは家賃8.5万円・Bさんは家賃9万円との家賃設定でT様と相談した結果、Aさんのほうが家賃及び他賃貸条件もよかったのでこのままAさんのほうと売買契約するべく契約準備をすすめました。

契約日時等の相談をしているとT様の希望どおりに住み続けられるはずなのに何かT様の顔がうかないようでした。

一旦、契約の説明を止め、T様に何か不安ごとや心配ごとがないか聞いてみると、T様としてこのまま住み続ける事はありがたいがやはり第三者に売却するのではなく親族の誰かに買ってもらうのが将来の事も含めて一番安心できると打ち明けられました。

私としてもT様が安心できるのが一番良いと思い再度、買主には事情をお話し一旦待っていただく事にしました。

再度、T様と打ち合わせし再度親族による買戻しに協力してくれる子供さんをお願いすることにしました。

そうして残りの5人に相談してお一人がもし自分が融資を受けられるのであれば引き受けてよいと言っていただきました。

再度、私も信金・ノンバンクに融資の相談にあたりました。

しかし、その反応はきびしいもので担保余力が無いなどでNG回答が続きました。

半ば諦めていたところで1社が検討できると回答してくれる事になり、具体的な審査のため、相手方の事務所に出向く事にました。

金融機関の担当者と面談しながら私自身を今回こそはもどうにかOKをと願いながら話を聞いていました。

そうしたところ、話をきいていると私も信じられないぐらいに話がとんとん拍子に進んでいきました。

しかも今回、自己資金はなかったのですが物件価格プラスになんと登記料等の諸費用まで融資可能と言うのです。

その話を聞いていたT様とその息子さんはものすごく安堵な顔をされていました。

面談が終わり、私の車で自宅まで送っている途中でT様はかなり上機嫌であまり口数の少ないT様が本当にニコニコとした笑顔で喜んでおられました。

私もいろいろな金融機関を当たった上で半分あきらめており、そんなに規模の大きいところでは無いにもかかわらず独自の審査で融資を決定してくださった担当者様には感謝しきりでした。

その後、無事に融資は実行されT様から無事に息子さんへ名義を変更することはでき、家を守ることができました。

T様の債務はまだかなり残ってはしまいましたが、今は家族8人で力を合わせて毎月がんばって返済をしていています。

でも、今のT様の表情はとても明るく次の家族の目標は債務を完済して新しい家を建て替えたいと気持ちが切り替わっており、とても前向きに生活をされています。