物件はビジネス街の好立地でしたが、築50年の連棟式の5階建共同ビルの一部で半分近くが廃墟化していて、販売活動には苦戦を強いられることは予想されていました。
依頼者は本物件で事務所を構え事業を行っていましたが、二年ほど前より経営が傾き事業借入の滞納が続き、債権者から競売の申し立てをされた頃に弊社が任意売却のご依頼を頂きました。
一棟ビルであればスムーズに販売活動は進んだはずなのですが、連棟式ということで建直すことも困難なので、築年数と物件の特殊性から金融機関もどこも融資が出ず、現金購入客を探し出さないと難しいのが現状でした。
そのような中、無情に時間は過ぎていき競売開札期日が迫っていく中、ついに某金融機関のローン事前審査が通過し、所有者の引越先なども確定し安堵していたところで、なんと金融機関より物件が理由でローン本審査に通過出来なかった旨の連絡が入りました。
所有者や買主はもちろんの事、全関係者が奈落の底に落とされる中、他にどうにか方法がないかと模索した結果、それでも買主の購入意欲が高かったため、出来るだけ現金をかき集めて頂き、足りない部分を当社の提携融資で緊急の“つなぎ融資”を受けることをご提案し買主に了承を取り付けることができました。
そして結果的には当初の決済予定日で現金と当社提携融資により決済にこぎつける事が出来ました。
もちろん所有者にとって、競売になればデメリットだけで何も手元に残らないはずが、ギリギリの奇跡のような展開で任意売却が成立したことにより、十分なお引越し代も手にする事が出来、現在は引越先で求職活動をしながら新たな人生のスタートを切られています。