弁護士などへ依頼済みの方へ

弁護士や司法書士はあくまで法律に関してのプロであり、依頼者の債権、債務の交通整理が仕事です。言い換えれば、厳格な要件の下で個人再生や破産などの手続きを行うことによりその手続きの対価として報酬を得ています。
従って、依頼者の不動産を、依頼者に有利に売却することに主眼をおいてはいませんし、その方面のプロでは全くありません。当然、任意売却の様々な手法やノウハウには長じてもいなければ、また興味もありません。

破産、個人再生、債務整理等の法的手続きを弁護士、司法書士に依頼すると弁護士、司法書士は債権者に対しての詐害行為などが行われないように、手続きの公正性担保のために依頼者の財産を管理監督しなければなりません。
このため法手続きの終了後の人生設計のための蓄財などは事実上不可能になります。

弁護士、司法書士は破産などの法手続きを依頼されると、依頼者の不動産などを処分の上で裁判所に破産の申し立てをします。
ただしこの場合に弁護士、司法書士が不動産業者に求めることは、公正に適正な価格で早く売却することです。
もちろん出来るだけ高額で売却できる事も考慮しますが、これはなるべく債権者に多くの金額を弁済し、依頼者の債務を圧縮することが目的であり、依頼者の手元に多くの金銭を残すためではありません。

弁護士、司法書士にとって依頼した破産の申し立てはあくまでビジネスです。よって彼らは当然に依頼した事件の早期解決を望みます。
このために依頼者の不動産の処分が難航するような場合には、売却を断念してそのまま破産の申し立てを行います。
こうなってしまうと破産事件は管財事件となってしまい、運良く少額管財事件となっても、管財人の報酬としてプラス20万円が必要で、通常の管財事件となれば財人の報酬でプラス50万円、申立代理人の報酬も非管財事件と比べるとプラス20万円〜30万円ほど増加してしまいます。

不動産を売却する前に、弁護士、司法書士に破産の依頼をすると、債権債務関係が複雑ですから、打ち合わせにかなりの期間が必要となってきます。
弁護士や司法書士は不動産業者のように自宅を訪問してはくれませんので、そのたびごとに彼らの事務所を訪問しなければなりません。
このボディーブローのような負担に耐えて、やっと破産申立となります。
その結果、管財事件となってしまった場合には、せっかくのご所有不動産の売却で1円も依頼者の手元に入らない上に、破産申立までの膨大な時間にプラスして免責確定までの時間も半年以上となり、新たな人生の開始が大幅に遅れる上に、十分な資金の準備すらない状態でのスタートとなってしまいます。
しかも管財事件の場合には、債権者集会への出席が義務付けられ、破産者と大きな張り紙がされた席に座らされて、裁判官や債権者からの質問に答えなければなりません。
破産申立から免責確定までに要する期間も、非管財(同時廃止)事件の4ヶ月とは違い、最低でも半年以上は必要となってきます。